楽天市場


葛飾区教育委員会は11月20日、区立学校において「生徒の答案情報の誤掲載」および「教職員用端末などの所在不明」という2件の事案が発生したと発表しました。いずれも個人情報の保護や物品管理に関わる問題として、再発防止に向けた指導を行うとしています。

11月20日(木) 葛飾区

教職員用業務端末等の所在不明について

11月20日(木) 葛飾区

生徒の答案情報の誤掲載について


1.答案用紙を誤ってクラウドで共有

発表によると、区立葛美中学校では11月18日、教員が定期考査の模範解答を学習支援クラウドサービス「Google Classroom」に掲載しようとした際、誤って採点前の第2学年生徒142人分の答案用紙の画像データをアップロードしました。  教員は誤操作に気づき削除を行いましたが、操作の誤認により一部のクラスでデータが残り、生徒からの指摘があるまで閲覧可能な状態が続きました。学校側はデータの削除を行うとともに、生徒の端末にデータが残っていないか確認を行い、保護者に対して説明と謝罪を行いました。
 

2.学校端末4台が所在不明に

また、区立水元小学校および中学校3校(本田、奥戸、大道)において、計4台の端末が所在不明になっていることも明らかになりました。  水元小学校では今年7月、校舎改築に伴う引越し作業中に教職員用ノートパソコン1台が見当たらないことが発覚しました。また、中学校3校では学習者用タブレット端末の予備機が各1台、所在不明となっています。  区によると、紛失した教職員用端末にはルール上、個人情報データは保存されておらず、学習者用端末についても成績情報などは扱っていないとのことです。現在、対象の端末はネットワークから遮断されており、各校は警察に相談の上、捜索を続けています。
 

区教育委員会は、各学校に対してデータ処理手順の再点検や、端末の管理台帳の整備、定期的な現物確認を徹底させ、再発防止に努めるとしています。




※タイトルと要約、イメージは、AI(Gemini)が生成したものをベースにしています。



葛飾区の学校現場では、今回(2025年11月)の事案以外にも、過去数年の間に情報の紛失や漏えいに関するトラブルがいくつか報告されています。

主な過去の事例は以下の通りです。

 

1. 卒業生台帳の紛失(2025年3月)

 

  • 概要: 葛飾区立堀切小学校において、校長室の金庫に保管されていた「卒業生台帳」が所在不明となりました。

  • 詳細: 1953年度(昭和28年度)から1977年度(昭和52年度)の卒業生、計4,191人分の氏名・住所・生年月日などが記載された台帳が紛失しました。今回の「端末の所在不明」と同様に、学校内での物品・重要書類の管理体制が問われた事案です。

 

2. 卒業アルバム制作会社へのサイバー攻撃による情報流出(2025年4月)

 

  • 概要: 区立中学校の卒業アルバム制作を請け負っていた業者(斎藤コロタイプ印刷)がランサムウェア攻撃を受け、生徒や教職員の氏名・顔写真などのデータが漏えいした恐れがあることが発表されました。

  • 影響: 今回の答案誤掲載があった葛美中学校を含む、区内8校(1,314名分)が対象となりました。

 

3. 教育システム更新時の個人情報流出(2023年7月)

 

  • 概要: 区が委託していた学校教育総合システムの保守作業において、委託先企業(ネットワンシステムズ、チエル)の作業ミスにより、区内小中学校の児童・生徒23,508人分の個人情報(ID連携情報など)が、システムを流用した他大学のサーバー内に混入し、閲覧可能な状態になっていました。

  • 類似点: 今回の「Google Classroomへの誤アップロード」とは状況が異なりますが、デジタルデータの取り扱いミスによる情報漏えいという点で共通しています。


葛飾区では、デジタルデータの管理(システム委託先のミス、今回のクラウド誤操作)と、物理的な資産管理(台帳の紛失、今回の端末紛失)の両面で、断続的に事案が発生している状況と言えます。特に2025年に入ってからは、3月の台帳紛失、4月のアルバムデータ問題、そして今回の11月の2事案と、情報管理に関するトラブルが続いています。