2月8日の衆議院議員総選挙の投開票がいよいよ目前に迫ってきました。今回の選挙戦において、企業経営の現場はどのような期待と不安を抱いているのでしょうか。東京商工リサーチが2月3日に発表した最新の企業意識調査は、高市政権に対するビジネス界の複雑な心理を浮き彫りにしています。このデータを基に、企業が直面する「実利」と「規律」のジレンマについて分析します。
2月3日(火) 東京商工リサーチ
衆院選の争点 「内需拡大の推進」41.8%政党支持率は、大企業と中小企業で違いも | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチサンプル数:2,218
■「守り」から「攻め」への転換を求める企業心理
今回の調査で最も注目すべき点は、企業が衆院選の争点として「内需拡大の推進」(41.8%)を筆頭に挙げている事実です。これまで多くのアンケートで上位を占めていた「物価の安定」や「人手不足への対応」といった防衛的な課題を抑え、売上拡大に直結する積極的な経済政策への渇望が示されました。
デフレ脱却からインフレ局面へと移行する中、企業はコスト削減や価格転嫁といった自助努力だけでは限界を感じていると推察されます。トップライン(売上高)そのものを押し上げる強力な需要喚起策がなければ、持続的な成長は描けないという経営現場の切実な判断が、この数字には表れています。
■高支持率を支える「ガソリン税廃止」という実利
高市政権の総合経済対策に対する企業側の評価は、一見すると極めて好意的です。全体の75.0%が経済対策を「支持する」と回答しており、政権の政策運営は一定の信任を得ていると言えます。
しかし、その支持理由を詳細に見ると、極めてプラグマティックな企業の姿勢が浮かび上がります。支持理由の約65%が「ガソリン暫定税率の廃止」を挙げており、これは「経済安全保障の強化」などの大義名分を大きく引き離しています。抽象的な成長戦略よりも、輸送コストや営業経費の削減に直結する「即効性のある実利」こそが、企業経営者にとっての最大の関心事であることが読み取れます。
■財政規律への懸念と大企業の危機感
一方で、政権を支持しない層の分析からは、日本経済が抱える構造的な課題が見えてきます。不支持の理由として過半数が挙げたのが「物価高騰対策が不十分」である点と、積極財政の裏返しである「財政規律への懸念」でした。
特に興味深いのは、大企業ほど物価高に対する危機感が強いというデータです。グローバルなサプライチェーンを持つ大企業は、為替変動や資源価格の高騰に敏感であり、現状の対策ではコストプッシュインフレを吸収しきれないという判断が働いている可能性があります。また、企業は支援を求めつつも、国の借金拡大による将来的な増税や金利上昇リスク(財政規律の緩み)に対しても、冷静な警戒感を抱いていることが分かります。
■企業規模による政治的志向の乖離
政党支持率においても、企業規模による温度差が確認されました。全体では自民党が53.7%と底堅い支持を集めていますが、中小企業層では日本維新の会や参政党といった野党への支持が、わずかながら大企業よりも高く表れています。これは、現状の延長線上にはない抜本的な改革への期待が、体力のない中小企業ほど強いことを示唆しているかもしれません。
総じて今回の調査結果は、ビジネス界が次期政権に対し「内需を喚起するアクセル」と「財政破綻を防ぐブレーキ」の高度なハンドリングを求めていることを示しています。選挙結果がどうあれ、個別の支援策が自社の業界にどう波及するかを見極めると同時に、マクロ経済のバランスが保たれているかどうかも、これまで以上に注視していく必要があります。
※タイトルと要約、イメージは、AI(Gemini)が生成したものをベースにしています。
