マルヨ食品の危機か　表示不備と安全性懸念により、全237商品、3,493,973個を自主回収

9月23日（火）　マルヨ食品

商品回収に関するお詫びとお願い（第4報：9/26更新）概要：マルヨ食品株式会社（兵庫県美方郡香美町）は、2025年9月26日付で「えびみそ」や「ほたるいか醤油漬」などの一部製品において、アレルゲン表示の欠落、原料原産地表示の誤り、添加物表示の漏れ、使用禁止殺菌剤の使用、期限切れ原料の使用など、品質および安全性に関する問題が判明したことを受け、対象製品の自主回収を進めていると発表しました。特にアレルゲン表示の欠落が確認された43品目や、使用禁止殺菌剤が使用された29品目、添加物使用基準を逸脱した57品目については、健康被害の報告はないものの、摂取を控えるよう呼びかけています。対象となるのは2025年9月8日時点で賞味期限内の全製品で、消費者には着払いでの返送を依頼しており、返送後に製品代金の返金について相談を受け付けるとしています。
リコール対象数：237商品、3,493,973個

回収の対象は、9月初めの時点では一部の商品に限定していましたが、アレルギー表示の不備、不適切な殺菌剤の使用、期限切れ原料の利用など、様々な問題が発覚したため、すべての商品を回収するに至りました。

このリコール騒ぎの1ヶ月ほど前、スーパーマーケットチェーンの万代リテールホールディングスが、マルヨ食品を子会社化しています。

マルヨ食品株式会社の子会社化に関するお知らせ | ニュース


子会社化して1ヶ月も経たないうちに、一部商品のリコールの問題が発覚し、数週間後には全商品リコールに．．．

万代にとってはとんでもない話で、子会社化は大失策だった！

そうではなく、実は子会社化したときから、マルヨ食品の品質管理を近代化するための計画的なリコールだった！

この二通りのストーリーがありそうで、AI（Gemini）にも相談して二つのシナリオを導き出しました。


以下、ほとんどGeminiによる推察です。

シナリオ1：子会社化後に「想定外の問題」が発覚した説

こちらは、M&A後の統合プロセス（PMI）の中で、初めて問題の深刻さが明らかになったというストーリーです。

買収の決定: 万代は、マルヨ食品が持つ日本海の豊富な水産資源を活かした商品開発力や地域でのブランド価値を高く評価。将来的なシナジー（相乗効果）を期待して子会社化を決定しました。この段階では、財務状況などに問題はないと判断されていました。

管理体制の統合と監査: 子会社化後、万代は自社の厳格な品質管理基準をマルヨ食品にも適用するため、専門チームを派遣して製造工程や管理体制の詳細な監査を開始します。これはグループ企業として当然のプロセスです。

問題の発覚: 監査を進める中で、万代の担当者は愕然とします。アレルギー表示の不備、不適切な殺菌剤の使用、期限切れ原料の利用など、これまでマルヨ食品の内部で常態化・隠蔽されてきた可能性のある深刻な問題が次々と明らかになったのです。

厳しい決断: 問題の根深さと広がりが想定をはるかに超えていたため、万代の経営陣は「隠蔽は最大の悪手」と判断。消費者への責任と万代ブランドへの影響を最小限に食い止めるため、過去の製品も含めてすべてを明らかにする**「全商品リコール」**という最も厳しい、しかし誠実な決断を下しました。

このシナリオは、万代の危機管理能力とコンプライアンス（法令遵守）意識の高さが試されたケースと言えます。

シナリオ2：「膿を出し切る」ための計画的リコール説

こちらは、万代が買収前からマルヨ食品の問題をある程度把握しており、それを改善すること自体を目的として子会社化したという、より戦略的なストーリーです。

買収前の調査（デューデリジェンス）: 万代は買収前の調査段階で、マルヨ食品の製品は魅力的である一方、製造現場の管理体制が旧態依然としており、食品安全に関する重大なリスクを抱えていることを見抜いていました。

改善を前提とした買収: 万代は、そのリスクを「問題」ではなく**「改善の余地」**と捉えました。「我々の持つ近代的な品質管理ノウハウを投入すれば、この会社は再生し、さらに大きな価値を生む」と考えたのです。買収価格には、この改善にかかるコストやリスクも織り込まれていた可能性があります。

計画的な総点検とリコール: 子会社化後、万代は計画通り、直ちに品質管理体制の抜本的な改革に着手。その第一歩として、過去の製品や慣習の問題点をすべて洗い出すための総点検を実施しました。今回のリコールは、その過程で明らかになった問題を一掃し、「過去の膿をすべて出し切る」ための積極的な外科手術と位置づけられます。

新生マルヨ食品へ: 大規模なリコールによって一時的な損失や信用の低下は免れませんが、これを乗り越えることで、消費者に「万代グループになったことで、マルヨ食品は安全な企業に生まれ変わった」という強いメッセージを発信し、長期的な信頼回復と企業価値の向上を目指します。

このシナリオは、リコールをネガティブな出来事ではなく、企業再生のためのポジティブなステップと捉えるものです。

まとめ
どちらのシナリオが真実に近いかは断定できませんが、現実には両方の要素が絡み合っている可能性も十分に考えられます。

例えば、「ある程度の問題は予測していたが（シナリオ2）、実際に調査したら想定以上に根深かった（シナリオ1）」というケースです。

いずれにせよ、子会社化した直後に全商品リコールという厳しい判断を下した背景には、「問題を隠蔽せず、正直にすべてを明らかにする」という万代の強いコンプライアンス意識があったことは間違いないでしょう。


万代は、商業の街、大阪の会社です。筆者はシナリオ２の線が濃いと考えています。


現在のマルヨ食品の工場は次のマップの場所にあります。



いずれこれも改築や移転されるかもしれません。


最後に、今回リコールの対象として届出に示された商品のリストを添えておきます。
商品画像も提示されていますが、賞味期限内のすべてのマルヨ食品の商品が回収対象ですので、割愛します。