「今週あたりから、急に迷惑メールが来なくなった」
もしあなたがそう感じているなら、それは気のせいではありません。実はつい先日、インターネットの裏側で、サイバー犯罪のエコシステムを揺るがす大規模な摘発が行われ、その効果が現れつつあるのです。
2026年1月29日、Google Cloudの脅威インテリジェンスグループ(GTIG)が発表した、世界最大級の悪意あるプロキシネットワーク「IPIDEA」の阻止に関するニュースが、その静けさの正体である可能性が高いのです。
世界中のデバイス数百万台を乗っ取った「IPIDEA」とは
この「IPIDEA」は、スマートフォンやパソコン、セットトップボックスなど、世界中の一般家庭にある数百万台ものデバイスを不正にネットワーク化していた巨大な基盤でした。
攻撃者たちは、ゲームや便利ツールといったアプリの中に「収益化コード」を隠すことで、ユーザーに気づかれないままデバイスを乗っ取っていました。「Door VPN」や「Galleon VPN」といったVPNアプリ、あるいは各種SDK(ソフトウェア開発キット)を通じて、知らぬ間に自分のスマホ等がサイバー攻撃の踏み台にされていたのです。
このネットワークは、中国、北朝鮮、イラン、ロシアを含む世界中の何百もの攻撃グループによって利用されていました。彼らはこの巨大なインフラを悪用し、身元を隠しながらサイバー攻撃やスパイ活動、そして大規模なフィッシング詐欺を行っていたとされています。
なぜ「メール激減」につながったのか
今回、Googleは業界パートナーと連携し、この悪意あるインフラを停止させるための法的措置を講じるとともに、技術的な封じ込めを行いました。具体的には、Google Play プロテクトをアップデートし、IPIDEAのコードを含むアプリを自動的に警告・削除する措置をとっています。
フィッシング詐欺メールの多くは、こうした乗っ取られたデバイス(ボットネット)を経由して大量配信されます。今回、その「送信経路」となっていた数百万台規模のネットワークが一気に無力化されたことで、攻撃者たちは物理的にメールを送る手段を失い、一時的に活動不能に陥ったと考えられます。今週に入ってメールボックスが静かになったのは、まさにこの「兵糧攻め」の効果が表れている証左と言えるでしょう。
静けさは一時的? 今後の見通し
サイバーセキュリティの世界はいたちごっこです。攻撃者たちは現在、失ったインフラの再構築や、別のネットワークへの乗り換えを急いでいるはずです。過去の事例を見ても、こうした摘発の後は一時的に攻撃が沈静化しますが、数週間から数ヶ月で再び活動が活発化することが常です。
現在は「嵐の前の静けさ」かもしれません。フィッシングメールが届かないこの平穏な期間こそ、セキュリティソフトの更新やパスワードの見直しなど、次なる波への備えを固める良い機会と言えるでしょう。
※タイトルと要約、イメージは、AI(Gemini)が生成したものをベースにしています。
参考記事: Google、機器乗っ取りのサイバー攻撃網を無効化 数百万台規模 – 日本経済新聞
グーグル、世界最大級の悪意のプロキシ「IPIDEA」を阻止 – Impress Watch
Google、世界最大級の悪性プロキシ「IPIDEA」を無力化 数百万台のデバイスを解放 – ITmedia NEWS
